日刊ニュース

2011.07.19 のニュース

5月C重油販売1.3%マイナス 東北は前年比10%に届かず ~震災で産業用ボイラ需要大打撃~

東日本大震災で被災した東北地方おける5月のC重油販売が8091KLと1万キロにも満たなかったことが石油連盟の都道府県別石油製品販売数量で明らかになった。前年比7.0%で1割にも満たない数量だが、これはC重油を使う中小企業や地場産業が震災で壊滅的な打撃を受けたことを改めて示している。集計が、東北では秋田、山形で一部欠損しており、正確なデータとはなっていないものの、4月のわずか2万5000KL、前
年比25.1%に続いて、大幅な落ち込みとなっていることは確か。一方、全国のC重油販売数量は117万2332KLで、前年比108.3%と電力向けが好調だったこともあり、大幅なプラスとなった。C重油需要は石油製品全体が低調な中にあって増勢傾向で推移しており、4月124万KL、102.4%、5月133万KL、101.5%とプラスが続いている。
 4月のC重油販売は全国ベースで111万6000KL、前年比98.7%と1.3%のマイナス。東北に関しては先の通り2万5000KL、前年比25.1%にとどまったが、県別では青森1万911KL、60.0%、岩手300KL、12.0%、宮城1836KL、6.8%、秋田1万1966KL、60.1%、福島432KL、1.3%と被害が大きい3県に限らず激減した。
 5月はデータのない秋田、山形を除くと、青森528KL、4.2%、岩手1216KL、4.2%、宮城4015KL、41.0%、福島2332KL、3.1%と4月に比べて宮城の伸長が目立つが、前年に比べて激減している状況は4月と変わっていない。
 首都圏の茨城20万6744KL、1766%、千葉11万2684KL、157.2%、神奈川2万365KL、153.2%前年比で大幅に増加する半面、東京(98.3%)、栃木(81.6%)、群馬(49.6%)、埼玉(35.0%)と前年を割り込んだ。データがない山梨、長野を除いても関東甲信越全体では前年を大幅に上回った(133.6%)。
 そのほか、地域別に前年を上回ったのは中部(101.2%)、中国(104.8%)、
四国(184.5%)、九州(185.3%)、沖縄(195.0%)で、近畿(82.1%=奈良データ無し)は前年を下回った。
 電力向けC重油などで増勢を見せる地域と、東北に見られるように、震災影響で産業用ボイラ燃料向けなどの減少で大きく販売減となった地域とで大きく傾向を異にする結果となっている。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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