日刊ニュース

2011.07.25 のニュース

石油の増税・転用に反対する

 大震災復興財源として政府は、基幹税といわれる所得税、法人税、消費税のほか化石燃料課税、資産課税などを検討している。一方で、今年10月から導入する予定だった「地球温暖化対策のための税」を復興財源に転用する案や発泡酒や第3のビールの酒税の税率を上げる案、たばこ税の連続増税なども浮上しているという。
 復興を一刻も早く進めることはなにより優先されるべきである。過去に例を見ない甚大な被害であるからその復興費用も膨大な額にのぼることは理解できるし、そのための国民負担も必要だと考える。しかし、この[政府]といわれるところから出てくる増税対象が、常に「取りやすい所から取る」という発想になっていることには納得がいかない。
 被災地の復興のための財源は、国民が広く平等に負担してこそ国民が一丸となって応援することになるし、理解も得られるはずだ。それを石油や酒、たばこといった特定の品目の税率を引き上げることで財源にしようという考え方は、安易で消費者の負担を無視している。
 そもそも地球温暖化防止のためにCO2排出量に応じて化石燃料に課税をする「地球温暖化対策のための税」は、昨年末、様々な議論を経て、最終的には5年間かけて段階的に引き上げていくことにした。しかし、衆参ねじれ国会のため未だ審議されず、このままでは廃案になる可能性が高い。この吊るされている増税案を「被災地の復興を理由にしたら野党ものむのではないか」ということで転用案が出てきたらしい。
 こうした案は政府のどこで検討されているのか。与党民主党に税制改正プロジェクトチームという場があるが、いままで転用案が議論された形跡はない。政府税制調査会でも公開資料を見る限り検討されていない。
 国民に向けた十分な議論もなく、大震災の復興財源として石油、酒、たばこ増税が取り沙汰される。さらに石油に関していえば今回は転用だという。多重・多段階かつ巨額の税
金が課せられている石油製品に、さらに税を上乗せすることは消費者への負担を増大させるものであり、完全転嫁できない場合は、販売業者が被ることになる。
 全石連・油政連は来年度に向けた税制改正要望の第一番目に「復興財源としての石油諸税の増税反対」を掲げた。今後、強く訴えていく。

提供元:全国石油商業組合連合会
〒100-0014 東京都千代田区永田町2-17-14石油会館
TEL:03-3593-5751
FAX:03-5511-8870
ユーザーID:
パスワード:
ログインする
e-BISTRADE