2011.08.01 のニュース
元売4-6月「好決算」始まる
12月期元売の中間期、3月期元売の第1四半期決算発表が本日の昭和シェルを皮切りに始まる。大震災影響が色濃く反映するマイナス要素を含むが、総じて好況を維持しそうだ。企業グループの領域が異なるが、非鉄金属部門があろうが、石油化学部門があろうが、全体のコアとなる石油精製販売部門が、その好況を支える。
まず、売上のベースとなる原油価格について、元売3社の今期見通しの前提では、円建てで平均リットル54円程度とみていたが、4~6月平均は中東産指標がリットル58円弱と小幅ながら上振れした模様だ。
数量面ではエネ庁統計によると、4月は7油種計内需は前年比11.8%減(SS関連3油種は12.8%減)、製品輸出は49.6%減に半減、5月も内需2.8%減(1.6%
減)、輸出5.6%減、推計となる6月は内需2.5%減(4.1%減)と連続減となったが、輸出は4%増と盛り返した模様だ。
4~6月の四半期累計では、内需5.7%減(6.6%減)、輸出17.8%減となり、平均6%減、元売によっては10%近い減少が生じたところも出る見込みで、これは深刻なマイナス影響といえる。ところが、製品卸価格の上振れが、数量面でのマイナスを帳消しにするばかりか、採算性の良化を際立たせる。
前年度の精製元売粗利は、本紙推計ではガソリンがリットル11.5円、灯油は12.5円、軽油は12.6円となり、これが高収益を支えるベースとなった。この数字が4月はガソリン8.2円、灯油は11.8円、軽油も11.9円に沈んだ。ところが5月はガガソリン12.5円、軽油は12.9円に大きく回復、灯油は9.9円に低迷したがマイナス影響はシーズンオフで軽微。6月はガソリンが17.5円という過去最高値に跳ね上がり、軽油も15.7円と2年7ヵ月ぶりの高粗利を記録した。
数量が不振を極めた4月に粗利は沈んだが、数量が回復基調に入った6月には、粗利が最高水準に浮上したことになる。その大勢は相互が合意したとはいえ、高下駄を履いた仕切りフォーミュラによる。つまり、より多くの金銭を、SS一特約店から頂戴したことを意味する。
元売は大震災影響から立ち直り、高収益圏に戻った。次は我々SSが、子会社の垂範と細かな需給管理などの元売の援護射撃の元で、同じ高嶺を目指す。