日刊ニュース

2011.08.02 のニュース

セルフSS、ついに減少へ

 セルフSSは、ついに減少傾向を示してきた。石油情報センター調査によると今年3月末は8449ヵ所となり、昨年12月末の8452ヵ所に比べて3ヵ所の減となった。今年1~3月の3ヵ月間に限っての統計上の数字であるが、参入(新設)が43ヵ所あったのに対して、撤退が46ヵ所あり、撤退の方が3ヵ所上回ったためである。この減少傾向が今後も続くか否かは、様子をみることになる。
 前期の昨年10月~12月は、参入が103ヵ所、撤退が22ヵ所で相殺すると86ヵ所の増加となっており、その反動で1~3月が参入が減少したことになる。それでも平成22年度の1年間でみると153ヵ所の増となっていおり、増加のテンポは鈍くなってる。
 セルフ解禁の平成10年4月から増加を続けてきた。13年度末では1000力所を超え1353ヵ所となり、その後は年間で約1000ヵ所が増加、セルフSS時代が到来した。当初は1万カ所まで増加するのではないかとの予測もあったが、ガソリン需要も減少することになり、ようやく頭打ちとなってきたようである。最近の増加数は20年度が約700ヵ所。21年度は500ヵ所となり、増加数は減少傾向をみせている。今後も新設が行なわれるが、小幅な増加となる。最近はセルフ間の競争も激しくなり、古くて競争力の弱いセルフは撤退するケースも増加、相殺すると減少することになり、セルフSS時代も曲がり角にきたようだ。
 セルフの解禁を機に、元売サイドは、セルフの拡大を重点とした販売政策に切り替えた。フルサービスSSの新設はなくなり、撤退することでSS減らしに取り組み、その結果、
セルフ比率の向上がSS戦略となった。資金力の弱い特約店はセルフ建設が難しく、ガソリン販売シェアを失うことになり後退することになった。代わって元売が積極的にセルフ建設に取り組み、元売が建設したセルフの運営は元売の販売子会社、量販店が行なうことになり、流通業界のシェアも元売子会社が拡大した。そのため、特約店(販売業者)が市
場から後退することになりシェアは逆転した。
 セルフのスタート時は、セルフとフルサービスSSとの戦いとなったが、セルフがコスト面でも有利となり、販売価格も安値で設定され、利便性からもユーザーに受入られ圧倒
的に有利となり、フルサービスSSを駆逐する結果となった。
 その後はセルフ間の競争となってきたもので、主要道路沿いは、セルフで占められており、新設の候補地もなくなってきたため飽和状態となってきた。
 全体のSS数はピーク時は6万SSであったものが、今年3月末は3万877ヵ所に減少しており、年間で約2000ヵ所程度が減少している。さらに減少が見込まれているこ
とから、SSが存在しない地域が増加、過疎地問題が表面化している。石油製品のサプライチェーンの最後の砦であるSSが無くなり、ガソリン、灯油の安定供給に支障が生じて
きた。価格競争の激化からSS経営が難しくなり、廃業、撤退が増加したもので、SS不足をカバーするために町村がSS経営に乗り出すなど、商売としては魅力を失ったことになる。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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