日刊ニュース

2011.08.09 のニュース

WTI急落、90ドル割れ 中東産は100ドル台を維持

 4日のWTIは86.63ドル/バーレルと前日に比べ5.30ドルの急落で90ドルを割った。連日の下落であり、7月25日が99ドル台であったのに比べると一気に12ドルの下落である。アメリカの景気後退、世界経済の減速懸念で原油の売りが殺到して急落、2月18日以来、半年ぶりの安値となった。中東産も下落しているが107ドル台、ブレントは110ドル台で推移しており、WTIとブレントとの価格差は約24ドル、中東産とは20ドルと拡大している。中東産も下落しているが小幅であるため、国内の業転市況への影響は少ない。東工取の原油先物は5万1000円/KL、ガソリンは6万6000円、灯油は6万1000円となり、前日に比べ2000円強の値下がりとなっている。
 WTIが90ドル割れと急落しており、原油価格の見通しは難しくなってきた。為替も円高に転じており、国内の市況にも影響しそうである。
 WTIに比べ中東産は下落しているものの100ドル台に乗せており、価格差が拡大している。それでもWTIの急落を受け、東工取の原油、ガソリンの先物も下落しているため、国内の業転市況も下落している。
 原油安に加えて為替が円高となっているためコスト安となり、国内市況も下げ圧力がかかってくる。
 ガソリンの末端市況は、7月の仕切価格の値上げを受けてユーザー転嫁が浸透、150円/L相場を形成した直後であり、今後の市況対策が難しくなっている。
 原油安、円高を先取りして販売業者が値下げに走ることも心配されている。
 これからガソリンは、8月商戦のヤマ場である旧盆に入るため増販期待が強まっている。8月に入って天候不順で販売減となっているため、今後の天候回復が気になるところである。
 猛暑が復活する予報もあるが、台風到来など天候不順が続くと販売業者間にあせりが出て価格競争が展開されることも予想される。
 ようやく150円相場を形成したため、当面は市況維持に努めるが、原油価格の下落が続くと末端市況も下落する。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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