2011.08.10 のニュース
石油事業は在庫影響を除くと減益 ―JX、コスモは製油所の停止が響く―
石油各社の4~6月の決算が出揃った。連結でみると原油価格の値上がりで在庫評価益が発生したことと、原油高で石油開発事業が増益となり、石油化学もマージンが回復したため、増収、増益となった。
決算上の数字は増益となっているが、その中には在庫評価益が含まれているため、この在庫評価益を相殺すると減益となる。石油各社の決算は原油価格の変動で大きく変わるため分りにくい。
原油価格(ドバイ)の4~6月平均は111ドル/バーレルと前年に比べ約33ドルの
値上がりとなった。前期の1月が91ドル(平均)、2月が100ドル、3月が109ドルと高値であったこともあり、在庫評価益が発生した。国内の燃料油販売は3月11日の東日本大震災の発生を機に4~6月の燃料油販売(石油統計速報)は6%減(電力C重油のみ増加)となっているが、原油価格の高騰で増収、増益となった。
セグメント別の石油事業でみると、在庫評価益を相殺すると実質の経常利益は減益となり、利益は小幅となっている。震災で製油所の操業が停止したコスモ、JXは、石油製品の供給には市中買い、他社からの融通などでコストが高くなり、マージンが減少するなど苦慮した。各社とも東北地区の安定供給に向けては、採算を無視して優先に対応した。
原油価格(ドバイ)は4月初めは111ドル、月末には120ドルへ上昇、5月に100ドルへ下落したが、6月末には107ドルとなり4~6月の平均は111ドルの高値となった。為替は4~6月の平均が82円/ドル、前年同期が93円で11円の円高となった。
各社の業紋をセグメント別で見ると、JXの石油精製販売(石油化学を含む)の経常利益は1009億円で前年同期の161億円に比べると848億円の大幅な増益であるが、在庫評価益が876億円(前年は11億円の評価損)あり、これを相殺すると実質の経常利益は133億円となり、前年の172億円に比べると39億円の減益となる。減益は販売数量の減少、原油価格の高騰による製油所の自家発燃料の上昇などがあげられている。133億円の実質経常利益のうち石油製品はわずか15億円となり、前年の161億円に比べると146億円の減、石油化学が220億円で107億円の増益となっており、石化はマージンが改善された。石油開発事業は、円高によるマイナス要因もあるが、原油価格の上昇で229億円となり55億円の増益となった。
出光の石油製品の営業利益は380億円で前年の208億円に比べると172億円の増益となった。うち在庫評価益が340億円あり、これを相殺すると実質の経常利益は40億円(前年は150億円)となり111億円の減となる。石油化学は11億円(28億円となった。資源は118億円となり、うち石油開発は91億円(65億円)で29億円の増加、石炭は27億円(27億円の同額)となっている。
コスモの石油事業の経常利益182億円で前年の90億円に比べると92億円の増益となる。しかし、在庫評価益が226億円あり、これを相殺すると42億円の赤字となった。大震災で千葉製油所が火災事故で操業を停止したことが影響した。石油開発は132億円の経常利益を確保した。