2011.08.11 のニュース
予算、税制、エネ対策は大幅に遅れる
政治が混迷しており、第3次補正予算・来年度予算要求、エネルギー政策の見直しを検討する総合エネルギー調査会の開催など、すべての作業、審議が大幅に遅れている。第二
次補正予算(約2兆円)は成立したが、復興作業が主な予算である第3次補正予算は、まだ大枠も決まっていない。政府の東日本大震災の復興基本計画は向こう5年間で13兆円を投入するが、うち10兆円を増税(所得税、消費税などの増税)でカバーする案もあったが、増税反対の意見が多く、増税は明記されていない。財源確保は後回しの予算編成となる。
菅首相が8月末に退任するのであれば、3次補正予算の編成は9月以降の新体制で検討、策定となる。また、来年度予算も本来ならば、財務省から8月の初めにシーリングが提示され、8月末には、予算要求が決まるという日程であるが、今のところ、財務省からのシーリングも出ていない。そのため予算要求は9月に遅れることになる。政府案は年末に決め、成立は来年3月末までとなる。税制改正の要望を行なうが、時間切れで押し切られることになりそうである。短期決戦どなるが、財源もなく、10月から実施が予定されていた石油石炭税の増税も難しい状況にあり、予算はカットされる公算も強い。東日本大震災を機に石油の役割の重要性が認識され、サプライチェーンの維持、強化を要望されているが、3次補正、来年度予算で確保できるのかが注目されるところである。
来年度の税制改正のヒアリングも実施したが、復興計画の推進が財源不足となり、増税が議論となっているため、産業界からの減税要望、企業の優遇措置の延長、などの要望は難しい状況にある。昨年は法人税の減税が目玉策であったが、今回の東日本大震災で吹き飛んだことになる。不況、電力不足、電力料金の値上げなどによる工場の海外移転、産業の空洞化が産業政策面での新しい問題となっている。
エネルギー政策の見直しも総合エネルギー調査会で8月に中間とりまとめを行ない、来年度予算に反映させる予定であったが、まだ開催されていない。9月以降開催で、とりまとめは年末へと遅れそうである。
原発政策も菅首相の発言した「脱原発」から「減原発」に修正され、当面は化石燃料で繋ぐことになったが、そのコスト負担のあり方なども今後の課題となっている。石油政策
も総合エネ調・石油分科会で議論することになっているが、これも日程は決まっていない。
残る再生可能エネルギー法は、太陽光発電の普及、促進をはかるが、電力の買取制を巡って、コスト負担の議論となる。成立が菅首相の退陣の条件となっているため、この法案を巡っては、与野党のかけ引きが続いている。