日刊ニュース

2011.08.22 のニュース

適格組合の意義を広げよう

 東日本大震災において石油販売業界は、緊急車両への給油や病院など緊急重要施設への自家発電用燃料の配送、さらには避難所への燃料供給など、地元の石油組合が組織する官
公需適格組合のネットワークを活用して供給に努めた。この貢献が被災地自治体や公共団体などに評価され、財政的な要因によって競争入札などに切り替えていた調達制度の見直しにつながるケースが増えた。
 今回のように、石油製品流通が極端に逼迫したことによる官公需適格組合としての石油組合のネットワークの再評価については、実際、生の事例が多かっただけに、その経験と効果の情報を全国的にも広げる必要があるのではないか。取材を進めると、都道府県や市町村、さらには消防や警察署、公立病院などにおける物資調達の担当部署で、適格組合制
度の本来の意義や役割を理解している担当者が少ないのではないかという声を聞く。
 国は、中小企業者向けの契約目標額と中小企業者の受注機会の増大を図るために実施する各種の措置を定める「中小企業者に関する国等の契約の方針」を毎年、閣議決定し、そ
の実施を各省庁の長や地方公共団体に要謂している。もっと具体的にいえば、国などは随意契約制度の活用などにより、中小企業庁が証明した官公需適確組合である事業協同組合などの受注機会の増大を図るよう指導しているはずなのである。
 しかし、実際の物品の調達や工事請負などの契約を締結する現場では、この要請が効力を持たないばかりか、財政難を理由にした競争入札が増えている。
 先ごろ、九州各県で官公需確保地方推進協議会が開催され、発注側の国や地方自治体と、受注側である石油組合などの中小企業団体が出席し、大震災での官公需対応をテーマに説明会が行われ、九州経産局からは「中小企業の経営基盤強化のために、受注機会の拡大に向けて、受注しやすいような方法も工夫してほしい」と呼びかけた。
 巨大な地震や津波は、東日本だけでなく東海や東南海、南海などでも予測されており、地方公共団体などはその発生に備えた対策が必要になるだろう。適格組合資格を持つ石油
組合や組合支部は発注者側に対し、今回の緊急時対応の状況を説明し、その意義を改めて伝えておくべきだろう。

提供元:全国石油商業組合連合会
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