日刊ニュース

2011.08.22 のニュース

ガソリンの8月商戦は終盤へ ―都心SSも増販を狙い参画―

 ガソリンの8月商戦も旧盆が終わり終盤となってきた。都心部のSSは、旧盆で周辺のユーザー(企業)が休みとなるため休業していたが、営業を再開する。街道沿いSSでは、
今後も増販を狙うが、販売数量は落ち込むため、あせりも出てくる。
 8月の初旬は天候不順でガソリンが伸び悩み販売減が心配されたが、旧盆は猛暑となり増販が期待されており、今後の販売動向が注目される。仕切価格が値下がり、末端市況も値下がりしているが、ここで販売が減少するとなると、価格競争が展開される。今のところ大きく値崩れすることはなく推移、市況は下落したが維持されている。だが、これから月末に向けた市況対策が焦点となる。
 ガソリン在庫は前年に比べると多いが、元売も売りに出ることなく慎重な対応で臨んでおり需給は安定している。元売のマージンも確保されている。
 一方、都心部のSSは、夏場商戦には期待せず、これから秋に向けて増販を狙ってキャンペーンを展開することになる。これから夏場の減販分をカバーすることになる。夏場商戦は都心部と郊外部とでは立地条件が違うので対応が変わってくるが、秋から冬にかけては都心SSは法人客を相手に増販が可能となり、ガソリンの増販と経営安定を狙い、オイル、タイヤ、バッテリーなど油外収益の増加、固定客の確保、カード会員の確保などに取り組む。
 郊外の街道沿いSSも同様な取り組みを展開するため、新しい競争が展開される。夏場はガソリンの増販が中心でマージンを確保して収益をあげていたが、これからはガソリンの販売数量が減少するため、油外収益増でカバーすることになる。
 また、軽油販売は、景気の回復による貨物輸送の増加、トラックの輸送距離が伸びたこと、復興作業の増加で特需が出ているため増加が見込まれている。しかし、軽油を販売す
るSSは大手販売業者に限られるため、一般SSはガソリンの増販が中心となる。元売も増販を期待しているが、軽油の場合は、販売が減少すれば輸出で対応できるため、在庫が
増加しても心配はしていない。
 販売業者サイドでは、一時はSSの多角化で、CV、カー用品、洗車などに取り組んだが、採算が合わず撤退したケースも多く、最近はガソリン販売が中心の商法となってきた。そのため価格競争が展開されるが、これもガソリンのマージンがポイントとなるため極端な安売りは姿を消している。最近は、ガソリンの適正マージン確保を重視して商戦に臨んでいるが、HC、量販店が体力にものを言わせて安値攻勢をかけており、周辺SSは苦戦している。さらには、灯油商戦に臨む動きが出ている。過去においては、冬場は灯油販売で利益を確保していたが、都市化が進み、灯油ストーブを使用することが少なくなってきたため、首都圏では灯油販売は見込めず、SS経営を難しくしている要因となっている。電気、ガスヘの転換が進み、灯油の暖房は時代から取り残されたことになる。灯油の集中暖房、給湯器の「エコフィール」の販売を実施しているが普及は遅れており、灯油需要は減少を続けている実態であるが、今冬は東日本大震災の影響で、オール電化から灯油への回帰を期待している。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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