2011.08.23 のニュース
調査価格は小幅下げに止まる ―現金価格のため市況実勢より高値に―
石油情報センターの週動向調査(15日)によるとガソリン価格は150円20銭/Lで前週比で60銭の値下がり、東京は151円60銭(四捨五入後で152円)で1円10銭の値下がり。神奈川は149円10銭で70銭の値下げとなった。仕切価格は13日から3円50銭程度の値下げとなったのに比べると末端市況は維持されたことになる。
しかし、街道沿いSSの表示価格は145円か多くなっており、これに比べると調査価格と市況実勢との間は乖離している。
そのため次回(22日)の調査結果が注目されるが、このまま市況が維持されれば販売業者のマージンが確保されたことになる。
この調査価格は現金価格と断っているように、SS店頭の販売価格でも一番の高値を報告しており、そのため実勢の市況とは、価格差が生じることになる。
調査価格(15日)は、仕切価格の改定(13日)直後であったこともあるが、街道沿いSSの安値価格は140円前後であり、大勢は145~6円となっているため、調査価格との価格差が目立つ。調査価格が高値で推移することは、石油業界としては歓迎されるが、市況実態から乖離すると信頼性を欠くことになる。
都心の堅調地区は150円は超えている。だが、HC、量販店は137円となっており、末端価格は、価格差が拡大している。東京の調査価格が152円に対して。市況実態とは、かなり乖離していることになり、販売業者間でも石油情報センターの調査価格は、参考にするが、市況実態よりは2~3円高値とみて活用すべきである。
調査統計であるため現金価格の平均値を示しているが、参考として活用する場合は高値であることに留意する必要がある。調査価格は、あくまでも現金価格の指標であるとみれば、それほど間題視することはない。
販売業者サイドも調査価格は2~3円高であると理解しており、現在でも現金価格よりも実勢価格の値取りを重視した販売に取り組んでいる。
SSでの販売価格体系は、現金、掛売、現金会員、カード会員割引、プリカ割引き、土・日割引き、など価格表示も多種であり、調査の対象となる現金価格での販売数量は少ないのが実態である。実際に販売している価格は、いくつかの会員価格であり、現金価格の占めるシェアは少なく、仮に高値で販売してもSS経営に対する影響は少ない。
このようにみるとSSの販売方法に問題があり、多重価格(看板価格)を表示していることが指摘されている。最近は、多重表示を自粛する方向となっているが、それでも二、三重価格は多い。ユーザーがSSに訪れ、ガソリンを給油して代金の決済となると看板価格よりも2~3円高となり、不信をもって聞くと会員価格であり、現金価格は看板価格より2~3円高となる例が多い。
SSでの価格表示は一本にすべきとの意見も多いが、簡単には是正されないのが実態である。ユーザーの固定化がSS経営の基本であり固定客を優遇するため割引き販売となる。
一方、現金価格は、一見客を対象にしているため、高値であり、会員となる固定客は安値を設定することになるが、大幅な価格差を設けるとユーザーからも不信感が出てくる。