日刊ニュース

2011.08.29 のニュース

ガソリン値下がりも仕切値下げの範囲内に ―今のところ販売業者がマージンを確保―

 石油情報センター調査(22日)によるとガソリン市況は149円/Lとなり、前週(15日)に比べると1円の値下がりとなった。前々週(8日)でも1円の値下がりとなっており、通算すると2円の値下がりとなった。首都圏では東京が151円、神奈川が147円、千葉が146円、埼玉が146円となっている。前週にくらべ神奈川が2円、そのほかは各1円の値下がりとなっている。
 原油価格の値下がりしたため、仕切価格は6日、13日から通算で4円の値下がりとなっており、末端市況は仕切価格の値下がりの範囲内に収まっている。その結果、販売業者はマージンを確保したことになる。
 7~8月の夏場商戦は、マージンを確保しながら、無事乗り切ったことになる。このまま推移すれば、販売業者のマージンが増加したことになるが、これから9月に入るとガソリン販売数量が落ち込むため予断を許さない。
 ガソリン市況をみると7月19日が149円であったものが、25日に151円に値上がり、その後は151円の横ばいで推移したが、8月15日には150円、22日に149円と値下がりとなり、再び149円の7月相場に戻ったことになる。軽油も同様に7月19日が129円であったものが、その後に130円に値上がりしたが、22日調査では再び129円に戻った。ガソリンと軽油の価格差は20円となっており、ガソリン税と軽油引取税の価格差である20円と、中身は同額となっている。
 ガソリン市況の首都圏の実勢は、街道沿いでは、144~5円、安値は142円、HC、量販店は137円となっている。都心部は150円台に乗せているが、これから9月に入ると夏場の増販の反動で販売数量が落ち込むため、市況維持がポイントとなる。9月は減販となるが、10~11月は、秋の行楽シーズンで増置も見込まれる。SSでは、この時期、オイル、タイヤ、バッテリーなどの油外収益増を狙ってキャンペーンを展開することで、9月の減販をカバーする。ただ、ガソリンの減販であせりが出ると安値販売が展開されるため、販売業者には適正マージン確保の販売姿勢が求められる。
 原油価格はWTIが85ドル/バーレル、中東産が104~105ドルと安定して推移しているため、大きな変動はないようである。リビアの政変も大詰めの段階にあるが、新政権にうまく移行でき、情勢が安定するかが注目される。エジプトなど北アフリカ、中東情勢は不安材料が残るが、安定化の兆しもあり、原油価格は安定して推移しそうである。
 ただ為替は、欧米の財政不安からドル安、円高となっており、国内は円高不況が心配されている。為替は76円/ドルで推移しており、輸出産業の業績悪化か深刻化、政府も円高対策に乗り出すことになる。しかし民主党は代表選、次期首相選びで経済対策どころではなく、空白が続いている現状で、為替対策の遅れが心配となってくる。
 補正予算でも為替対策が取り上げられるが、石油は、円高によってコスト安となるため、円高メリットの還元の対象になることも予想されるため、理論武装も必要となる。円高分は、週決めの市場連助方式の仕切価格の改定で対応していることをユーザーに説明すべきである。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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