日刊ニュース

2011.09.01 のニュース

現実的なエネルギー政策を

 昨日、野田総理が誕生、早ければ週内にも組閣・新政権が発足する。
 2005年の9月に、いわゆる郵政選挙と冠される第44回総選挙が第88代・小泉総理のもとで行われ、自民は212から296へ議席を大きく増やし、民主は177から113へと議席を大きく減らした。それから丸4年後、現在から遡ること丸2年前の第45回総選挙では、第92代・麻生総理の政権与党・自民は300議席から119議席へと大敗北を喫し、民主は115議席から308議席へと大躍進、社民と国民新党との連立による第93代・鳩山民主政権が発足した。高い支持率を誇った鳩山政権だったが、政治資金問題や沖縄米軍基地の移設などでつまずき、9ヵ月後の昨年6月に第94代・菅政権へ。発足直後の第22回参議院選挙で敗北し、ねじれ政権となった菅内閣は、3.11と原発事故などを経て、第95代・野田総理による政権へとバトンタッチされる。
 郵政選挙以降、11目回の内閣改造・組閣が行われ、これによって自民系で延べ4人、民主系では3人の経済産業大臣が誕生した。政権とともに打ち出されたエネルギー関連の行政施策は、主に地球温暖化防止の観点でリードされ、その概要は以下の通りだ。
 06年に米国提唱「国際原子力パートナーシップ」に日本、仏、中、露が参加して協力体制が敷かれ、08年7月の洞爺湖サミットでG8が原発の重要性を確認。経産省でも06年の総合エネ調で、30年以後も原発比率が3割以上を占める事が適切、として、一次エネルギーに占める化石燃料の引き下げ方向が明確になる。鳩山内閣では、温室効果ガスを「2020年に90年比25%削減」が09年12月に「コペンハーゲン合意」として国際的に突如披露され、これを踏まえた政策、予算が動き始めた。
 このことによって、ガソリンの周辺ではE3製品が投入され、HVがみるみる増え、EVも身近になろうとしている。太陽、風力など再生可能エネルギーに対する手厚い導入促
進策も加わった。その反動で、石油では縮小する国内市場を見据え、高度化法による設備廃棄が始まった。そこに3.11が起こり、ベース電源として化石燃料を代替するはずだった原発にブレーキがかかり、改めて化石エネルギーを再評価せざるを得ない状況で、野田政権が発足する。
 現実的かつブレないエネルギー政策を期待したい。

提供元:全国石油商業組合連合会
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