日刊ニュース

2011.09.05 のニュース

ガソリン市況は連続値下がり ―原油価格は、再び値上がり局面に―

 石油情報センターの週動向調査(29日)によると、ガソリン価格は148円/Lで、前週に比べて1円の値下がりとなった。8日の151円から毎週1円の連続値下がりとな
り、3週間で通算して3円の値下がりとなった。仕切価格は8月入りで累計5円程度の値下がりとなっており、仕切価格の値下がりの範囲内に収まっている。
 JX日鉱日石エネルギーの8月の仕切価格は週毎に値下がりしたが、ガソリン平均では2円20銭の値下がりとなっている。これは週次の改定幅を日数加重平均して算出したものである。軽油は2円70銭、灯油は2円80で4油種の平均は2円30銭の値下げとなっている。
 首都圏のガソリン価格を見ると、東京は150円、神奈川は146円、千葉は146円、埼玉は145円となっている。この調査価格は現金価格であるため、街道沿いSS店頭価格に比べると乖離している。東京も都心部は150円台に乗せているが、街道沿いは140円前後に下落している。量販店などは130円の前半となっており、地域価格差が
拡大している。
 調査価格は市況実勢に比べると格差があるが、8月末から9月も値下がりしている地区もあるため、今後も値下がりが見込まれている。8月に入って原油価格が急落、仕切価格が値下がりしているため、末端市況が値下がりするのは、やむを得ないが、月末で原油価格も値上がりに転じており、9月には市況対策に取り組むことになりそうである。足元の市況は下落傾向にあるため、まず、下げ止めて市況維持に転換することになる。
 原油価格は、中東産の8月が105ドルで7月の110ドルに比べて約5ドルの値下がりとなっている。だが、8月末にきて原油価格は値上がりをみせており、31日はWTIで88ドル(上旬は79ドル)、中東産は110ドル(100ドル)へと値上がりしている。このように原油価格は乱高下しているため、原油価格の動きについて行けず、原油価格が
高騰している時期にガソリンの末端市況が下落しており、タイムラグが生じている。
 9月も原油価格が値上がりとなれば、仕切価格も値上がりとなり、ガソリン市況も再度値上げ局面となってくる。上げ、下げが繰り返えされるが、販売業者は、原油価格、仕切価格の動向をよくみて対応しないと、マージン減で赤字となるため注意が必要である。9月のガソリンは、8月の夏場商戦が終わり販売が減少するため、市況対策は難しい時期となる。SSサイドも、減販であせりが出ると価格競走に走るため予断を許さない。減販も夏場との比較であるので、例年9月は落ち込むとみて市況対策に取り組むべきである。
 原油価格の見通しは難しいが、値上がり基調となっている。アメリカの株価が値上がり、経済指標が好転している影響で、原油価格は値上がりしている。一方、リビアの内戦が収束、原油生産が再開され輸出が回復すると、原油価格が値下がりするとの見方もあり、値上がり、値下がりの双方の要因が綱引きすることになり流動的である。WTIが先行し
て値上がりをみせているが、中東産とは20ドル、ブレントとは25ドルの価格差もあり、その結果、原油価格の見通しを一層難しくしている。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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