2011.09.12 のニュース
ガソリン市況は連続して下落―仕切価格の値下げと原販が影響―
石油情報センター調査(5日)によるガソリン価格は147円/Lで前週に比べると1円の値下がりとなった。8月8日調査の151円に比べると毎週各1円の値下がりで、4
週間では通算4円の値下がりとなった。参考値では8月8日が150円80銭であり、9月5日が147円40銭となり、3円40銭の値下がりとなっている。
経産省別では北海道が144円(8月8日は150円)、東北が146円(151円)、関東が146円(150円)、中部が147円(151円)、近畿が147円(150円)と3~6円の値下がりとなっている。
首都圏では東京は149円、神奈川が145円、千葉が145円、埼玉が144円となっている。街道沿いは140円前後であり、HC・量販店は135円程度となっている。9月も値下がり傾向となっているため、今後は市況維持がポイントとなる。
原油価格は9月入りで小幅な下落となったが、7日には、WTIが前日に比べ3ドル値上がり89ドル/バーレル台に乗せており、中東産も2ドル上げの109ドルへと反発してきた。今後の原油価格の動向にもよるが、値上がりが予想され、ガソリンの末端市況は下げ止めから安値の底上げ時期となってきた。
原油価格の見通しは難しいが大幅変動しており、ガソリンの市況対策は7月が値上げ、8月は値下げと、上げ、下げが繰り返され、販売業者も対応に苦慮している。
8月に入り原油価格が下落、上旬でWTIが89ドルを割って79ドル、中産産が100ドルとなった。その後は値上がりに転じたが8月末はWTIで88ドル、中東産は110ドルとなり、8月の平均はWTIが86ドル(7月平均97ドル)となり、11ドルの大幅な値下がりとなった。同様に、中東産は105ドル(110ドル)で5ドルの値下がりとなった。為替は77.7円/ドル(78.9円)で1円の円高となっている。輸入原油の大半が中東産であるため、中東産に連動してコスト安となり、仕切価格は値下がりした。
JX日鉱日石エネルギーの9月のコスト変化は、8月の原油CIF価格で約3ドルの値下がりとなり、コストは3円60銭/Lの下げとなる。8月の仕切価格は、平均改定幅では4油種で2円30銭の値下がり、ガソリンでは2円20銭の値下がりとなっている。毎週土曜日に仕切価格の改定をしているが、週次改定幅を日数加重平均して算出したものである。ガソリンは出光興産、昭和シェル石油も2円10銭下げとなっている。
元売のガソリンの仕切価格変動は8月6日から70銭、13日から3円50銭の値下がり、累計でみると4円強の値下がり、9月3日からは50銭~60銭下げとなっている。
ガソリンの末端市況も、仕切価格の値下がりを反映して下落してきたが、石油情報センターの調査価格でも毎週の値下がりとなっている。仕切価格の値下がりとの間にタイムラ
グがあるが、1ヵ月間で4円程度の値下がりとなってきた。
9月でガソリン仕切価格が小幅値下げとなったことで、市況対策を難しくしている。8月のガソリン販売が中旬以降、台風の到来もあり減販となった。昨年8月は猛暑で557
万KLと増販となったこともあり、その反動で7~8%減少したとの見方もあり、販売業者にも焦りが出てきたようである。