2011.10.03 のニュース
灯油とともに高めたいSS価値
残暑から急転、秋めいてきたこの頃。寒冷地ではすでに灯油実需が伴い始めたようだ。
今季の灯油を取り巻く環境は大きく変わりそうだ。すでに灯油ストーブやポリタンクが飛ぶように売れ始めているという。
優れた災害対応力で灯油ストーブが見直され、中でも系統電源を要しないシンプルな芯式タイプが売れ筋だ。灯油を必要とする世帯が大幅に増える、というシグナルである。ポリタンクのオーダー増は、家庭内備蓄をプラスーワンする行動が始まる予兆で、季初の荷動きが大きくなる可能性を秘める。
オール電化や原油高による高価格などで、その領域を削り続けてきた灯油に、久しぶりに追い風が吹いているのだ。
夏場から、大震災などによる電力の安定供給不安を踏まえ、これらの前兆を先取りする形で準備していた灯油の関係者の動きも急を告げている。
全石連は寒冷地の駅に注目、ここを灯油暖房機器のアピールのステージとする提案をJR東日本に行った。計画完了時には100台の大型ストーブが、観光客を含む駅利用者
に暖を供する姿が多く見受けられるはずだ。雪が舞う北の駅の待合室で、暖かい体感と心地良い視感に訴求するエネルギー・灯油が、その本領を発揮する。
全石連、石油連盟、機器工業会が三位一体で展開する2011「灯油でほかほかキャンペーン」も1日から始まる。本紙で提供したSS店頭ポスター、ホームページからダウン
ロードできる店頭配布用のチラシが用意され、このいずれにも印刷されているQRコードから、即座にキャンペーン応募できる仕組みが今回は導入されている。自社や元売系列の
オイルやカードなどのキャンペーンと重ねることも可、灯油の配達先ヘチラシを配布することも可。
「教えてもらったキャンペーンに応募したら、グルメが当たったよ。ありがとう」。こんなやり取りが前回もSS店頭で出現したが、参加しなければ始まらないストーリーだ。
県単位でも北海道や新潟などが灯油を盛り上げるキャンペーンを行う。
原油は高値持続型ながら乱高下、灯油の価格動向は読み辛くなっているが、競合エネルギーの追随を許さないエコノミーは不変だ。追い風とキャンペーンを上手に活用し、灯油
とともにSSの価値を高めたい。