日刊ニュース

2011.10.11 のニュース

ガソリン減販、供給増で市況下落 ―減産も難しく定期修理の効果を待つー

 ガソリン販売はマイナスが続いているが、元売、販売業者の主力商品であるため業績に大きく影響する。
 4月~8月の累計では2384万KLで前年同期で4.1%の減少となった。燃料油全体の販売では3.5%減となったが、うちC重油が電力用の増加で9.3%増となったもの、他油種は軒並み減少となった。軽油は災害復興需要もあり1%減に止まっており、増加となる月もある。ガソリンは夏場の需要期である7月が507万KLで前年同月比4.3%減、8月は545万KLで2.1%減となっており、9月も4%程度の減少となりそうである。高速道路料金割引きの廃止、台風の到来などの天候不順も販売減少に影響した。
 数量でみると前年比ではマイナスであるが、前年が猛暑で増販であったための反動であり、実数としては落ち込んでいないため、販売減をそれほど心配することはない。
 東日本大震災で、大幅な減販となったが、ここにきて需要が回復基調になってきた。しかし、前年比で販売減となると販売業者間ではあせりが出て、価格競争が展開されている。販売減を背景にして元売の在庫(1日)も215万KLで前年に比べると29万KL増加しており、供給増となっている。
 本来ならば減産で対応する時期にきているが、今冬の灯油在庫の積み増し時期にあるため、原油処理を落として減産で対応するのが難しい状況にある。減産して石油製品価格を
値上げしていると受け止められることも予想されることから、減産とせず前年比横ばいで対応している。
 だが、10月からは製油所の定期修理に入るため実質減産となるため、その効果に期待している。灯油在庫は337万KLで前週に比べて9万KL増、前年に比べると80万KL増となっている。
 さらに原油価格が、ここにきて急落しており、WTIは80ドル/バーレルを割って75ドル、中東物も100ドルを割っている。東工取のガソリンの先物も59~60円/L、業転市況は117円と下落してきた。そのため仕切価格も8月からは毎週値下がりとなっている。
 末端市況は、HCなどが129円へ値下げしたが、これを下回る販売価格も出てきた。街道沿いは、140円を割っており、133~5円が増加している。石油情報センター調
査(3日)は144円と前週に比べて11円の値下がりとなった。8月初めが151円であっため、累計では7円の値下がりとなっている。仕切価格も7円程度の値下がりのため、
ほぼ同額となるが、実勢は末端市況の値下がりが大幅であり、販売業者がマージンを吐き出している。4~5月はマージンも確保ができてSS経営も安定したが、再度、低マージンとなってきた。
 今週も仕切価格の値下がりが見込まれており、市況対策が難しい状況となっている。市況下落の要因は販売減が影響しているが、安値で巫沢しても増販が見込めず、ここは我慢
して市況を維持してマージン確保に取り組むべきである。
 灯油は販売業者も在庫を積み増ししているが、シーズンに入って販売価格が下落すると足元の在庫が高価となり、逆ザヤとなる心配も出てきた。また、原油価格が下落すると元売は在庫評価損が発生することになり上期決算も厳しくなってきた。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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