日刊ニュース

2011.10.18 のニュース

粗利の再構築へ向かおう

 エコカー、低燃費車の増加などにより、ガソリン内需は年率3%のマイナスが続く。こう見通された中、2007年度、08年度は、ほぼエネ庁見通しの範囲内で減少曲線を描いたが09年度と10年度は、その予想に反して増加に転じた。1千円高速という防策面、さらに猛暑という天候面での各上ぶれ要因が生じ、これがプラスとなって我々の販売ペースを底上げした。
 反対に、減少率が高くなった08年度には150ドル原油、小売180円という超高値が出現しこれが消費節約の下押し要因として大きな減少率につながった。これらのことを差し引いて、年率2%程度のガソリン内需のマイナスが続いていたら、今年度の内需は5400万KL程度となっていた。10年度内需の5820万KLと、今年度の5400万KLとの対比では7.2%の減少となる。
 さらに現実問題として今年度は、大震災と原発事故に加え、各地で大雨被害が相次いだ。このことを踏まえると、大雑把に各マイナス1%と想定して組み入れると、SSのガソ
リン販売を取り巻く近況は、いきなり前年比10%減の販売量減少が、ごく当たり前に生じてしまう。
 我々や元売の経営努力の外側で、2年にわたって維持されてきた厚化粧が剥がれ、内需構造が一気にスッピンの標準形に戻ったのだ。国内の全産業が痛手を被っている今年の天
変地異に、我々もその反作用を享受せざるを得ない経営環境に置かれているのだ。
 石連統計によると、元売出荷量は9月第1週以降、6週連続で前年割れを記録している。その減少率も10%を超えた週が4週、他の2週も9%減、7%減。石連統計が始まった
04年4月以降、11週連続減という記録はあるが、連続して各週が、いずれも5%を超える大幅マイナスという深刻な数字が並び続けたことは、かつて経験がない。
 確かに、過少な粗利のまま、書き入れ時の夏商戦を迎え、数量が劇的に減っていく局面を迎え、狼狽しないほうがおかしな近況ではあった。9月以降に札幌や高知、滋賀で生じた市況崩落も、量を巡る皮算用や思惑が外れた結果であろう。10%減、地域によっては、それよりも大きなマイナスが生じている。減販という事実を冷静に受け止め、それを補う唯一の方法である粗利の再構築を図る。地域社会へ、スタッフへ、責任が果たせる経営に軸足を置こう。

提供元:全国石油商業組合連合会
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