日刊ニュース

2011.11.01 のニュース

あの手この手で需要づくりを

 12月3日から一般公開される東京モーターショーを前に、自動車メーカーが先進技術の一端を披露し始めた。電動パワートレーンを持つHV、PHV、EVや環境安全装備か幅を利かせそうだが、「第3のエコカー」と称される内燃機関搭載車の進歩も続いている。クルマに個性を求める傾向が薄まる中で、電動車両の目新しさやコストパフォーマンスが“売り”の超低燃費ガソリン車、さらにスーパークリーンディーゼル乗用車のラインアップが中心になりそうだ。また、しばらく霞んでいた感がある燃料電池車=FCVも、エネルギーの多様化や電力逼迫問題を契機に再注目されだした。
 EV偏重に見えた日産も、従来比半分サイズの燃料電池スタックを公開、ダイムラーとともに新型FCVも開発中だ。自動車3社・元売4社・ガス会社などを加えた関係13社は、2015年からFCVを市場に本格導入する共同声明を発表しており、4大都市圏を中心に水素SS100ヵ所の先行整備を目指すことにも合意している。設備投資のハードルはまだ相当高いが、無関心という訳にもいかない。事業意欲を持った一般的な組合員であれば参入できるような支援体制、仕組みづくりに残された時間はそれほどないのかもいれない。
 一方で、いまは目前の商売を活性化させる手立ても不可欠。今日なくして明日は来ない。特にフルSSでガソリン減販が伝えられる中、国土交通省の第3次補正予算で東北地方の高速道路無料開放に250億円、国内観光振興に12.6億円が盛り込まれたことを活かしたい。東北道や常磐道などでは被災地支援として全日・全車種で、日本海道や山形道などでは観光振興として土日祝日に普通車以下のETC搭載車を12月から来年3月末までの間、無料開放する予定だ。4月以降についても来年度予算編成の過程で検討するという。
東北の復興や観光振興の取り組みはあちこちで多数企画されているほか、全国的にも観光活性化を通じた地域活力の向上が指向されているだけに、自動車旅行=カーたびを一層促進したい。
 とはいえ、大震災以降、消費者の財布の紐は堅い。SS店頭発・観光関連情報の提供とドライブサポートは、社会のニーズに合致している。降雪や凍結による通行障害の心配が高まる季節でもあるので、SS業の存在感を見せつけよう。

提供元:全国石油商業組合連合会
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