2011.11.04 のニュース
公益に適うSSの存在を問う
先週末29~30日にかけて、各地で防災訓練が続いた。例年8月30日~9月5日の防災週間前後に実施するところが多かったが、自治体が被災地支援に追われていたことから、時期がずれ込んだ。東京都は多摩東部4市と合同で警察、消防、自衛隊、在日米軍や住民自治会などによる大規模な総合訓練、また、愛知県と南知多町は東海・東南海・南海3連動地震と大津波を想定した防災訓練、さらに近畿および三重、福井、徳島の9府県も自衛隊や海上保安庁なども加わった総合訓練をそれぞれ開催、多くの市民が参加し、公助・共助・自助の方法などを学んだ。
東名阪エリアでの各大地震は、30年以内に高い確率での発生が予測されている。阪神淡路大震災の当時よりも情報化が一層進んだ中で、観測史上最大のM9を記録した大震災に遭い、あるいは見聞したことによって、多くの国民が防災対策への関心を高めている。東日本ではなおさらだ。東京都・4市合同訓練には石油連盟と東京石協が共同ブースを出展、石油の重要性や利便性を訴えが、来場者の関心はいつになく高く、パネルなどに見入ったり、自ら質問を寄せる場面も目立った。震度5レベルを体感し、帰宅困難者となった方々も少なからずいただろう。
3・11における東京の帰宅困難者数は約330万人とされる一方、公共の一時待機施設数は1030、収容人数は9.4万人にとどまったと推計されている。東京都は大震災を教訓とするため、帰宅者アンケートを実施したが、帰宅を始めた理由3つを聞いたのに対し、「特に理由はない」が最多回答を占めた。いま、徒歩帰宅者の発生抑制とその支援が強く叫ばれ始め、具体策が検討されている。
震災後の9都県市首脳会議では、SSとの帰宅困難者支援協定を知らない市民がいたとの指摘がなされた。情報提供のあり方を含め、関係者間の連携強化に期待する声が聞かれ
た。いざという際はアナログ的対応が最重要との見方も出た。大地震で道路網が寸断されれば地方都市でも徒歩帰宅を余儀なくされる可能性はある。堅牢な施設でクルマと市民生活に不可欠な石油製品を供給し、周辺の地理に明るく、保安管理に通じたスタッフがいるSS。多面的な地域貢献指向のSSは災害に備えた情報の受発信拠点としても、公益に適
う存在と認められて然るべきだ。