2014.11.04 のニュース
仕切据え置きで下げ止め狙う 末端市況は当面値下がり続く
ガソリンの末端市況は、連続して値下がりしているが、仕切価格は、ようやく据え置き(30日から)となったため、下げ止めとなるが、その成果が出るのは11月に入ってからとなりそうである。
石油情報センター調査(27日)のガソリン価格は161円80銭/ℓとなり、前週に比べると2円10銭の値下がりで15週連続の値下がりとなった。通算では8円10銭の値下がりと
なった。
末端市況は、仕切価格の値下がりは早く反応し、値上げは遅れることなるため、この調査価格に反映するのは1週間以上は遅れることになる。今回は据え置きとなり、その後
に値上がりとなれば、末端市況に反映するのが、調査価格となると、かなり遅れることになる。原油価格が危機感を反映して急騰すれば、末端市況は反転するが、緩やかな値上がりとなると末端市況の値上がり遅れるのが通例である。
この調査は月曜日に行ない、水曜日に発表している。仕切価格の改定(JX、出光)が水曜日となっているため、時間的なズレが生じる。前週の仕切価格の値下げが23日から3円の値下がりとなっているため、末端市況は値下がりが継続しているため、次回の調査(4日に実施)では、前週に比べると値下がりとなる。
今回は30日から据え置きとなったため、連続値下げの流れを、喰い止めとなることになるが、実際に下げとまるか否かは、今後の様子をみることになる。
原油価格(ドバイ)は6月末で100㌦/バーレルであったものが、足元で84~5まで、約25㌦が急落したことが反映したものである。為替は108円/㌦程度で推移している。
ガソリンは7月には値上がりして170円相場となったため、高値のためユーザーの節約もあって販売数量は大幅減となった。4月からの消費税の増税(5円の値上げ)、原油価格は4~6月はで高騰(その後は急落)したためガソリンは値上がとなったが、相次ぐ台風の到来という天候不順となったこともあるが、予想以上の減販となった。
今年度の販売動向をみると、4月は消費税の増税と3月は増税前の駆け込み需要の反動で8..8%の大幅減となった。その後も5月は3.8%減、6月も4.4%減となった。7月は天候不順で9.6%の大幅減、8月も6.4%減となっている。
一方、ガソリン市況は、原油価格の急落、仕切価格の値下がり、足元は急落して安値は150円割れとなっている。調査価格の平均は162円となっているが、大勢は150円台となっている。地域によっては25円以上の値下がりとなっている。
このよう大幅な値下がりとなったが、需要は回帰の兆しがみえない。前年比での増加は難しいにしても、減少幅が圧縮されることが期待したいところである。9~10月も販売不
振が続き、11~12月の年末商戦に望みをかけている。140円台の安値になっても販売数量が伸びないとなれば、需要構造が基本に変わったことになる。夏場の減販は天候不順による一過性であり、今後に期待をかけていたが、市況が急落しても需要は戻らない状況となってきた。このような減販を機に、高度化法による設備処理、競争力強化法による事業再
編が、一段と早まったとの見方も出てきた。