2014.11.21 のニュース
元売上期決算、4~6月は赤字 7~9月のマージン増で黒字
元売各社の4~9月(上期)、1~9月の決算が出揃った。上期のうち4~6月の動向をみると、消費税の増税の反動での減販と製品マージンが減少で不振となり黒字と赤字に分かれた。7~9月は、天候不順で減販となったがマージンが拡大して黒字となり、4~6月のマイナスを挽回したことになるが、赤字が残ることとなった。10~12月は需要期でもあり、黒字を見込んでいるが、原油価格の下落、市況も下落しつっあり、マージンは減少して利益幅は減少する、との見通しとなっている。
上期は、原油価格は、大きく変動したことになる。4月初めはドバイが104㌦/バーレルであったが、6月には111㌦に値上がりしいたが、その後は値下がり、9月末では94㌦となった。平均では104㌦で前年とほぼ同水準となった。
10月も原油価格は下落を続け、平均で87㌦、足元は80㌦割れとなっており、74~5㌦となっており、予想外の展開をみれている。原油価格は27日のOPEO総会の動向か注目されるが、減産が合意されるか否かがポイントとなる。
為替は上期平均では103円/㌦で前年比で4円の円安となった。為替の円安は現在も進行しており、足元は116円となっている。原油安を円安で相殺して仕切価格は据え置きとなっているが、このバランスがどこまで保たれるかが問題となる。
このように原油価格、為替が、大きく変動しているため今後の見通しが難しくなっている。
連結べースでみると、石油は利益は低いため、業績を悪化しているが、石化も海外市況が低迷しており、大勢は赤字となっている。前年は好調であったのに比べると雲泥の差である。加えて製品輸出も供給増から海外市況が低迷したためダブルパンチを受けている。
国内需要の減を製品輸出、石化の海外進出でカバーすることで、総合エネルギー企業を目指しているが、石化の不振は痛手である。辛うじて石油開発が黒字でカバーしていたが、これも原油の急落で下期は減益が心配となってきた。
各社のセグメント別の石油事業でみると上期(4~9月)では、JXは在庫影響除きの経常損失は140億円となった。うち4~6月は242億円の損失となったが、7~9月では102億円の利益となり、相殺して140億円の損失に圧縮された。
出光は営業利益が128億円となり、前年比で108億円の減、在庫影響除きで204億円で127億円の増となった。コスモは経営損失が130億円となり、在庫影響除きでは29億円の損失となった。前年が170億円の損失であったため、大幅な改善となった。
東燃ゼネラル石油は1~9月期では87億円の営業損失、在庫影響除きで営業損失は10億円となった。うち1~3月は173億円の損失、4~6月で6億円の利益、7~9月で176億円の利益となり、7~9月で挽回したことになる。通期は70億円の利益を見込んでいる。
昭和シェル石油の1~9月の営業利益は119億円、在庫評価損が25億円あり、在庫影響除きでは営業利益145億円となった。うち1~3月が36億円の損失、4~6月が44億円の利益、7~9月が137億円の利益となっている。相殺すると145億円の利益、通期では290億円を見込んでいる。