業界の自律的な対応を明確に 2002年02月06日更新
業界の自律的な対応を明確に
慢性的な末端市況の低迷の一つに過剰設備問題が挙げられている。過剰設備はトッパーのみならず二次設備も需要の白油化によってかつて大幅に増強され過剰傾向となっている。過剰設備を廃棄、削減することも抜本的な末端市況健全化の一つであるが、問題は経営トップ、あるいは各社の常日ごろの経営姿勢いかんにかかっている。今後とも石油製品の需要の伸びは多くを期待できないが、元売各社が、自分のところの販売能力に応じた生産に徹していれば、末端市況の健全化も十分実現できるはず。
末端市況の健全化が実現できない直接的な要因は、やはり各社の経営マインドにある。総論では木端市況の適正化、需給の自律的な秩序の確立をかかげながら、現実的には精製設備の稼働率、あるいはシェア意識によって、自分のところだけ、より少しでも多く売ろうという意識が働くことになる。この結果として、供給が実需を上回り、業界全体としての需給が緩慢となる。
こうした問題は過剰設備うんぬんの問題でなく、各社の経営マインドが一つの方向に徹底されていれば解決のつく問題であろう。各社が適正市況確保を企業としての最優先課題として取り上げ、その実現のためにあらゆる努力を各社個々に徹底して行うことが何よりも必要なことである。適正市況の形成は古くて新しい課題であり、自由化の現在、業界独自の自律的な対応を明確にすべきであろう。