冬季の灯油中心態勢脱却図れ 2002年02月22日更新
さきごろ石油連盟がまとめた消費者アンケートによると、暖房用エネルギーの中で灯油が圧倒的に支持されていることが明らかになった。それによると、現在使用中の熱源としては灯油が63%で最も多く、暖房機器としては石油ファンヒーター、石油暖房機器以外、石油ストーブの順だった。また、石油暖房機器の購入には暖房能力が高いことを重視し、今後の熱源としても灯油が「ランニング費用が安い」ことから最も多く選ばれているなど、灯油の有利さを認識する消費者が多いことをうかがわせる内容だった。
しかしその灯油販売は、新年を迎えてからの暖冬により絶不調に陥っている。特に大消費地の北海道では記録的な暖冬で、札幌雪まつりの雪像が溶けてしまうありさまだった。年々気温が上がっていく中にあって、冬季の貴重な収入源である灯油需要の増加は、今後ますます見込めない状況となっている。
そこで、やはり天候頼りの灯油戦略から脱却して、冬季にも安定した収益構造を確保した態勢づくりが求められているのだろう。エネ研がまとめた動向調査のうち「灯油流通の見通しでは生協のうち、「競争が激化して、各業態で中小販売店が淘汰され、大手事業者への集中が進む」との見方をするところが過半数を占めた。それを考えると、中小の販売店が今後も冬季の収益を灯油のみに頼り続けるのは危険ということになる。危機回避への対策が急がれよう。