「メージャーリーグにもの申す」 2003年12月22日更新
イチローや松井の活躍で メージャーリーグと日本との距離は一気に狭まった。
NHKのBS放送では シーズン中は毎日実況中継を行っているし 日本の野球ファンは 時間さえあれば 毎日メージャーリーガーの迫力あふれるプレーを 見ることができるようになった。相対的に日本のプロ野球の人気が下がっているようだが 野球ファンにとっては従来味わえなかった楽しみが増えたことは間違いない。
ところでテレビでメージャーリーグの試合中継を見ていて気なることがある。
まず ベンチの中で 監督以下大勢の選手が なんだか知らないが木の実のようなものをポリポリ噛んでおり 残った滓をベンチの中で吐き散らしている有様だ。
試合が終った後を見ると ベンチの中はこの滓で足の踏み場も無いようになっているという。ベンチは彼らにとって大切な仕事場であるはずだ。 その仕事場をこのように散らかし放題にして なぜ彼らは平気でいられるのだろう。 そんなことで 本当に良い仕事ができるのだろうか。
もっと不愉快に感じるのは 選手がグランドでプレー中に さかんに唾を吐き散らしている姿だ。唾を吐き散らすというのは おそらく世界どこの国でも 悪いマナーと定義されているはずだ。にも拘らず 彼らはなぜグランド上に唾を吐き散らすのだろうか。 なにかドラッグでもやっていて そのせいで唾が異常に出るのではないかと勘ぐりたくなる状況である。少年少女のファンが多い野球では そうしたファンに悪い影響を与えるような行為は 極力避けるべきだろう。野球でルールを守れるのであれば ぜひマナーも守ってほしいものだ。イチローや松井にはそうした行為が見られないのは せめてもの救いである。
ところで 最近日本のプロ野球を見ていても グランド上で唾をはく選手を散見するようになった。これもメージャーリーガーの悪いところを真似していると思える。
唾を吐いたからといって 野球が上手くなるわけではない。 大体 日本の野球選手はプロでもアマチュアでも 球場への出入りのとき 帽子をとって頭を下げているはずだ。 これは 自分たちが野球をすることができる球場に 感謝する気持ちの表れだろう。 また 日本の国技である相撲にも通ずる 戦いの場を神聖視する気持ちの表れかもしれない。 この姿と 球場で唾を吐く姿とは どうしても重ならないのだ。
世の中には 見過ごしても良いことと 絶対に見過ごしてはならないこととが存在する。後者を見過ごしていると 止め処がなくなるおそれがある。 野球場でも ゴルフ場でも マナーの崩壊は絶対に防ぐという強い気持ちを関係者全員が持って 臨むことが肝要なのではなかろうか。
(一本杉)