セルフSSにも苦しい事情 2001年03月21日更新
遠い将来より、目先のことに固執しているのが、どうもSS業界の状況のようだ。厳しい業界環境の中でどうしても、その日その日の対策に追われる理由も分かるが、将来像と展望がない経営は、結局は衰弱の一途をたどって消滅の憂き目を見ることになりそうだ。例えば、セルフサービスSSに対する見通しも、どちらかといえば「増加しない」という希望的な願望も込めて物事を判断してきたきらいがある。「いやなことは目にしない、耳にしたくない」という心情が自分自身消極的にしている。
そうした願望とは別に、セルフサービスSSは、急速に増えると見られている。セルフサービスに対応した機器の開発が進み、また、安全性やコストも格段の進歩を見たためでもある。これらは、これまでテストを行ってきた学習効果がようやく実を結びつつあり、セルフサービスSSの大量出店の可能性を広げたといってもよい。恐らく3年後には10%、5年後には30%のSSがセルフサービス仕様になるのは否定できない状況になりつつあるのだ。
そうした状況を踏まえれば、セルフサービスSSの進出を阻止する手段がない以上、いかに強調するか、『住み分け論』が急速に協議されるのも当然のことだろう。実は、セルフサービスSS側にも苦しい事情がある。それは、フルサービスSSとの価格差が2~3円しかないという現実である。逆にいえば、フルサービスの生きる道は十分あるということだろう。