日刊ニュース

2011.01.26 のニュース

元売のSS戦略 ガソリン販売で利益を ―新オイル販売を機に油外収益確保―

 元売各社は、特約店、販売店を招き、恒例の新年賀詞交換会を開催、同時に2011年のSS戦略を発表している。主なSS戦略は、ユーザーに信頼され選ばれるSSづくりを基本に、①ガソリンの適正マージンの確保、②油外収益の確保、③カード戦略によるユーザーの囲い込み、などを展開することで生き残りをはかるなどである。
 ガソリン需要は、HV車の増加、人口の減少、節約志向などから減少は必至であり、そのため販売業者はガソリンの適正マージン確保を狙うことにしている。
 元売は、仕切価格を業転市況に連動させた市場連動制を定着させ、ガソリンなどの石油製品のマージンを確保しており、本業の石油事業では黒字に転換している。需給の適正化をはかり、業転市況が堅調に推移しているため適正マージンを確保している。
 そのため販売業者に対しても適正マージン確保を要請している。元売は原油価格の高騰で仕切価格を値上げしているが、販売業者によるユーザー転嫁は遅れ気味である。高度成長期のガソリン販売は、増販で推移していたため薄利多売であったが、今後は減販が続くことから、減販分をマージン増による利益で確保することになる。昨年は夏場が猛暑で増販となったが、これは一過性のものであり、今後は減少が続く。
 ガソリンは減販でマージン増もあまり期待できないとみて、オイル、タイヤ、車の整備などの油外収益増でカバーすることをSS戦略の柱にしている。モーターオイルは新規格のAPI(アメリカ石油協会)の「NS」、ILSAC(国際潤滑油規格化認証委員会)の「GF―5」を取得してJX日鉱日石エネルギー、出光興産、キグナス石油などが昨年秋から発売している。他社も3月中には発売するため各元売が出揃うことになり、SS店頭でキャンペーンが展開される。
 SSでのオイル販売のシェアは全体の30%と少なく、残りはカーディーラー、カー用品店にンェアを奪われており、新オイルの販売を機にSSでの挽回を狙う。オイルは元売ブランドの他に、外資系ブランド、カー用品店ブランドが多く出回っているが、製造、生産しているのは元売が圧倒的であり、あとは国内の専門メーカーである。自動車メーカーの純正、指定オイルは、すべて元売の製品であるため、SSにおいても、
元売ブランドのオイルを自信を持って販売すべきである。
 しかし、SSのオイルは割高であるというイメージが定着したことでユーザーがSS離れしており、今日におよんでいる。ガソリンの給油はSSで行なうが、オイル交換はSS以外で行なうことになっている。このようなことは、SSでのビジネスチャンスを失っていることであり、再度SSへ回帰するように努力すべきである。今年はSSでのオイル販売を再スタートさせる年となる。
 タイヤ販売も同じであり、SSに来店したユーザーは、タイヤ交換は、他の店で行なっている。タイヤ販売もSSに呼び戻すためのセールス活動を再度実施すべきである。タイヤ販売で好成績を収めているSSも多くあり、成功事例を参考にしてタイヤ増販に取り込むべきである。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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