日刊ニュース

2011.01.26 のニュース

ガソリン末端転嫁は浸透 -仕切価格値上げ回収を急ぐー

石油情報センターの週動向調査(17日)によるとガソリンは137円で前週に比べると1円の値上がりとなった。7週間連続の値上がりとなる。昨年11月22日の132円からみると5円の値上げとなる。
 軽油も118円、灯油は84円へと前週に比べると各2円の値上がりとなった。ガソリンに比べると軽油、灯油の方が値上がり幅は大きい。灯油は需要期に入ったため値上がりしたもの。
 最近のガソリン価格については月次調査で見ると昨年5月が139円でピークであったが、その後6月には138円、7月136円、8月134円、9月133円、10~11月が132円と連続して値下がりした。132円が底値となり、その後は値上がりに転じた。12月が133円、今年1月が136円で、さらに1月17日の週動向調査では137円と値上がりしたもの。
 一方、原油価格(WTI)は、昨年4月平均が85ドル/バーレルであったが、5月には74ドルに急落、その後は75~76ドルと安定して推移した。だが、10月に82ドル、11月に84ドル、12月に89ドルヘと高騰した。1月に入っては91ドル台となり、この勢いで100ドル説も出たが、ここにきて足元は88ドル台と値下がりしてきた。高値は沈静化してきたようだが、原油価格の見通しは難しく、何が起きるかは分からない。為替が82~83円の円高で推移しているため、原油価格の高騰に比べると、コスト増とはなっていない。原油価格は高騰しているが2OO8年当時のような緊迫感はかげをひそめている。08年は100ドルでスタート、その後、2月に一度90ドルを割り込んだが、その後は一気に急騰して7月には145ドルの最高値を記録した。だが、年末には40ドル割れまで急落して乱高下したことで世界の経済が大混乱したこともあり、原油価格の動きに対して各国も監視を強めている。
 今回の原油高騰は、その背景にアメリカの金融緩和により投機資金が商品市場に流れていることがあげられている。一方、ヨーロッパの寒波でブレントが急騰しており、98ドルと100ドル寸前にある。ブレントとWTIが完全に逆転する異常な値動きであり、これにドパイも運動するなど、今までにない動きであり、注視すぺきである。原油価格はWTIが中心であったが、WTIよりも中東産の方が高値で推移しているため、販売業者も原油価格の動きを注意しないと目測を誤ることになる。
 販売業者も、仕切価格の値上げを受けて、ユーザー転嫁に取り組み、遅れていたが、ようやく追いついた感じである。あと2~3円を値上げして140円台を確保したいところであるが、ここにきて、原油価格が小幅であるが値下がりし、89~88ドルとなってきたため、ここでガソリン対策も小休止するのかどうか、今後の原油価格の動向にかかってくる。
 元売サイトも適正マージンを確保する体制となっており、販売業者も同様のマージンの確保を狙っているが、どうしても原油価格の値上げに対してはタイムラグが生じ、販売業者は不利になる。
 販売業者は原油価格が値下がり局面で市況を維持してマージンを確保することが、利益を確保するチャンスであり、ここは原油価格が値下がりに転じているため我慢する時期にきたようである。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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