話題の人 ジョン・エス・ミルズ氏昭和シェル石油代表取締役社長 高収益力の企業を志向 2002年05月24日更新
3月末に現職に就任し、初の外国人社長として注目を集めている。系列の特約店やSSでも関心が高く、評判も良い。「販売担当の副社長として1年間ならし運転をしましたので、どこに問題点があるか、いかに対処したらいいか、ある程度わかっています。そこが期待されているのでしょう。ですが、歓迎し、応対してくださる皆さんは一様に紳士な方ばかりですからね」とクールにこの2ヵ月近いフィーバーを分析し、確かな手ごたえは、これから自分のカラーを出しながらつかみ取っていくという姿勢を見せる。
まずは「新美会長の強力なリーダーシップにより急激な改革が既に実施されています。今後は経営陣だけでなく一般社員の中でもリーダーシップが発揮されることを期待している」という。中でも「若い世代のながで、積極的にプロジェクトをリードして推進してくれる人材の登場を期待しています。そのような人には、キャリアプランや仕事を与え、支援していこうと思っています」とトップに限らず、社員の中にもアクティブな人材を登用し、組織の合理化・活性化を促進していくことを打ち出した。
その次は、シェルグループの中で2位に位置する昭和シェル石油の事業規模に見合う「収益力の向上です。現に収益面では、残念ながら2位ではなかった。ですから、いかにしたら収益力を高めていけるのか、常に考え、実行するなどしっかり頑張っていきたいと思います。すべての株主であるお客さんから見て、資本効率は石油業界ナンバーワンのリーディングカンパニーですねと言われるようになりたいです」とお客の目から評価される企業を目指すことを挙げる。
加えて、イノベーション推進本部が掲げる『世界の中の昭和シェル石油』づくりについては「海外のお客からも投資していただくことは大切なことです。ですから、世界に向けてアピールすることになるわけですから非常に重要です」と強く支持する。そして「財務的に健全な企業は、株価も安定し、配当も増えます。シェルグループのノウハウを最大限に活用し、強い企業になりたいですね」と収益力の高い企業を志向し実現していけるように示唆する。
ところで、わが国の印象については、「日本的な古風なところ、田舎や郊外の風景、温泉宿などが好き」だという。つまり「外国では体験できないし、味わえない良さがあります」と日本の自然を受け入れて愛している。さらに「歴史も好きで、いろいろいろな出来事のルーツとして参考になります」と日本文化にも相当に親しんでいるようである。
趣味は「オペラをはじめとする音楽観賞やスキューバーダイビングなどです」と幅広い。健康法は特別ないが「仕事とそれ以外のことをうまくバランスとることになりますかね。そのために多少の軽い運動はしていますから、強いて挙げればそのことになるでしょう」と仕事に追いまくられてつかんだコツを紹介した。