コラム

過去のコラム一覧へ

譲れないエネルギー主役の座 2002年08月02日更新

新日本石油、コスモ石油、昭和シェル石油の3社が、エンジニアリング振興協会が実施する燃料電池用水素供給インフラの実証研究の参加企業に選ばれた。
また、新日石は新エネルギー財団が実施する定置用燃料電池実証研究の参加法人に、電力中央研究所などとともに選ばれている。
 「水素供給インフラ」は、燃料電池自動車用水素供給設備の技術確立、省エネルギー効果、安全などに開する規格・法規・基準作成などのためのデータ取得、経済性の向上および普及促進のための課題の明確化などを目的に、「定置用」は環境条件の異なる地域に燃料電池コジェネレーションシステムを設置し、さまざまな実使用条件下で運転した場合のデータ収集や、電力系統への影響評価データ収集などを目的に、それぞれ実施する。
 一方、日本電動車両協会が実施する自動車部門では、トヨタ、ホンダ、日産の国内勢に加え、GM、ダイムラークライスラーなど、世界の列強が参加する。トヨタとホンダが年内の燃料電池自動車の発売を表明するなど、水素エネルギー時代の本格的到来が実感されるのだが、課題は供給インフラ整備の遅れだ。遅れというよりも、そもそも調達方法そのものが確立されていない。水素を売って商売しているわけではない各エネルギー業界は、石油系燃料を改質することで、今後もプレーヤーの主役であり続けようと必死だ。主役の座は譲れない。

ユーザーID:
パスワード:
ログインする
e-BISTRADE