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「車検」見積でSS支援 2002年09月20日更新

いくら現在の“セルフSS”の進出ぶりが活発であるといっても、街の中の従来型SS運営者が“勝負”するのはやはり「フルサービス」でしかない。
 “セルフSS”は基本的に元売直系、あるいは運営者が例え特約店になっていても実質的運営者は元売であるというケースが多い。
 今年中には“セルフSS”2,000ヵ所を超えるのは確実。元売系のセルフSS計画のみで14年度末には2,140ヵ所に達するわけだ。それに、商社系、JA系を加えるなら、3,000ヵ所に迫る勢いではあるが、これは所詮、単純化してしまえば、元売の新たなる“陣取り合戦”にほかならない。14年末にトータルで2,140ヵ所になる元売系セルフSSのうち、社有は約6割の1,330ヵ所に達しており、“かくれ社有”を含めると、この比率は8割以上に達するとみていいかもしれない。
 この“セルフSS”が3,000ヵ所を超え、もし5,000ヵ所に達するならば、現在の元売供給量の半分近くは、元売色の濃い“セルフSS”で消費されることになる。
 元売にとって、これほど確実で安定したガソリン流通戦略はないわけで、“セルフSS”進出に血道をあげるのも当然。“セルフSS”進出は元売の“生き残りをかけた”戦いでもあるのだ。
 従って、それでは従来、元売系SSとしてやってきた、中小規模の「フルサービス」SSはどこヘ行くのか。それはこれまで何度も触れてきたように、合理化で“脱ガソリン”を果たし、“油外”によって収益確保の道を探るしかない。
 現在は、100社の会社(株式会社・有限会社)があれば73社は“赤字”といわれる、低収益の時代であり、簡単に確実で収益性の高いビジネスなどは実在しない時代である。ひとり“SS”のみが苦況にあるわけではない。
 しかし長年にわたり“ガソリン販売”によって培ってきた顧客層の為には“SSビジネス”を続けるとしても、人件費・経費の合理化を進め、“SS”という集客性の高い利点を活かしながら、“油外”で確実な収益を得ていくというのが、誰しも考える「フルサービス」SSの今後の道である。
 その“油外”。元売によって様々な方法が提案されてきた。ただここへ来て、当初の総花的なラインアップから、より現実味をもった特定の分野に特化した“油外商品”が提案されるようになってきた。
 この8月に実施された石油連盟以2002年消費者アンケートによると、SSに消費者が求めるサービスは首位が既述のとおり「コンビニ」、2泣が「洗車」、3位が「ATM」、4位「コーヒーショップ」、5位「宅配便」、6位「車検などカーメンテナンス」となっている。
 このうち「コンビニ」「ATM」「コーヒーショップ」は他業種との連携によってなされるもので周到な準備が必要と思われるが、「洗車」や「車検」は“カー関連ビジネス”としてSSにとっては比較的取組みやすい“油外”である。
 すでにこれら2つの“油外”については取組んでいるSSも多い。ところが消費者の意識は「車検」についてはSS以外でやるというのが多い。全石連がこの春に行なったアンケート調査によると、「車検」の依頼先は「カーディーラー」54%、「整備工場」35%に対し「SS」は7%にすぎない。理由は「行きつけ」が47%だが「信頼性」が26%。「SSでの車検」は一般にはまだ認知されているとはいいがたい。
 そこで昭和シェルが打ち出したのが、傘下SSを対象にした「車検見積システム」。インターネットを利用し、誰にでも簡単に車検見積が出来、SS店頭でのデータ更新も必要ない。一般ユーザー向けに提供して「傘下SSにおける車検」につなげていこうというのである。“油外”に関しても第二期に入り消費者志向が求められる時代になってきた。

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