セルフ「無関心」60% 「油外利益」やはり“原点” 2002年12月02日更新
やはり、“セルフSS”の増勢は止まらない。この分でいくと、年度末には2,500カ所に達するのは確実とみられている。
石油情報センターの最近の調査での9月末のセルフSS数は1,943カ所。
今年4~9月期には592カ所のセルフSSが新しく参入しているが、これは平成13年4~9月期の新参入432カ所、10~3月期の499化所に比べてもかなり大きな数字で、“セルフSS”への参入がさらに加速していることを表わしている。
府県別にみると、千葉168、愛知136、埼玉133、神奈川112がダントツの数字だが、これは当初からの傾向。この4県で全体の28%強を占めている。
各県別のセルフ比率をみると面白い。“セルフ”を受け入れやすい“県民性”のようなものがここには見えかくれする。
トップは香川2.6%がダントツで次いで千葉7.8%、埼玉7.2%、岡山6.6%、神奈川6.4%、愛知5.3%、兵庫5.0%、奈良4.8%、山口4.7%、高知4.5%、福岡4.4%。全国平均のセルフSS比率は3.7%だから、これらの地方は“セルフ”でかなり頑張っているといえる。
大都市および周辺地域で“セルフ化”が進んでいるのは当然のことのように思えるが、香川、岡山、山口で“セルフ比率”が高いのはどうだろう。香川についてはEMの元支店長にその理由をきいたことがあるが「あそこは“さぬきうどん”の国。もともと“セルフサービス”を受けれる素地がある」との回答だった。
これら“セルフSS”の現状は85.9%までが「改造型」。84.5%が元売系。販売量はフルサービスSS平均に比べ約2倍と想像されたものより意外に低い。
この調査の中で関心を引くのは今後の“セルフSS”について、SS運営者の56.7%が「無関心」と回答していること。約6割の運営業者にとって“セルフSS”への進出というのはまったく考えられない。比較的小企規の事業者が多い日本のSS全般にとっては投下資本が大きく、規模も大きい“セルフSS”は「他山の石」。
“セルフSS”の進出によって周辺市況がどうなるかということには深い関心はあっても自ら進出するという意味では全く関心がない。
やはり“セルフSS”というのは元売・商社・特約店(一部)が進める業態であって、従来の大部分のSS運営者は“フルサービス”SSを今後も運営していく以外に方法はない。そうでなければ“廃業”か“転業”か、いずれにしろ“撤退”しかないという事実がこうして明確になってきた。
その意味で“油外”の重要性に改めてスポットが、当ってくるような気がする。“油外”も利益を生みだすのは簡単ではないようだが、各自の「創意工夫」によって利益を生み出していくのはビジネスの本道であり「油外」から如何に利益を生み、如何に人材を育てていくかということが、これからのSSの「原点」であることが改めて明確になって来る。